フライディ・チャイナタウン/泰葉 の歌詞の個人的解釈

フライディ・チャイナタウン」とは、1981年9月21日に発売された泰葉さんのデビューシングル。
作曲は泰葉さん、作詞はテレサ・テンさんの「つぐない」や「時の流れに身をまかせ」等も手掛けた“荒木とよひささん、編曲は福山雅治さんの編曲者でも有名な井上鑑さん。
まさに芸能一家のお嬢様のデビューにふさわしい豪華メンツ。

泰葉さんと言えばあの「金髪●野郎!」でお馴染みの泰葉さん。例の騒動は私が中学生くらいの時だったのでなんとなく覚えています。お恥ずかしいことに泰葉さんが歌手だということを知らず(知らない世代ということでどうかお許しを…)

この曲を知ったきっかけは、今から1~2年ほど前、YouTubeでオススメに泰葉さんがフライディ・チャイナタウンを歌ってる動画が上がってて『え、この人歌ってるの!?』と興味本意で見たことでした。

初めてフライディ・チャイナタウンを聴いたときの衝撃を今でも覚えています。社会人になったあたりから年齢のせいか中高生の頃のように楽曲を聴いて感動することが減ったので余計に印象に残っています。
個性的でカッコいいメロディ、パワフルな歌声、私の地元である横浜を連想するタイトル、そして何よりも大人びた美しい日本語の歌詞…。これはまさに名曲です。40年経っても色褪せない名曲です。


そして私がなぜブログを開設したのか。それはこの曲が深く関わっているのです。

フライディ・チャイナタウンに出会ってからというもの、好きな楽曲のひとつとして私なりに楽しんでいたのですが、ふと『この歌詞を他の人はどのように解釈してるのだろう?』と気になり検索をしました。
そしてヒットしたものは歌詞の本質を読んでないようなまとめサイト

いや悲しい!なぜ!この歌詞の美しいところ全然理解してない!!!

正直ご本人様のスキャンダルに関してはどうでもいいのですが、このフライディ・チャイナタウンの歌詞の魅力だけは伝えたい!ということでブログを書くことにしました。




ーーーー以下、私なりのこの曲の解釈です。ーーーー



[It's So FLY- DAY FLY-DAY CHINATOWN 真夜中の人ごみに
It's So FLY- DAY FLY-DAY CHINATOWN はじけるネオンサイン]

「フライディ」と聞くと金曜日を意味する「FRIDAY」と思ってしまいそうですが、歌詞を見ると綴りは「FLY-DAY」となっています。
私は「FLY-DAY」を「飛ぶように嬉しい日」ということなのでしょうか。
ただ個人的にはFRIDAYの意味もあって花金なのかなと思っています。

チャイナタウンは中華街。後の歌詞に「港の見える場所」ということで、この曲の舞台は私の地元でもある横浜だと思っています。
実際に横浜をイメージさせる楽曲ばかりを集めたアルバム『横浜幻想(ヨコハマ・ファンタジー)』(2004.1.28)にも収録されているようなので間違ないと思っています。


[肩にぶつかる人外 ウインクを投げる
知らん顔のあなた とまどいのひとコマ]

“ガイジン”という言葉がNGなあたり時代を感じるなと思いつつ…(笑)
この曲の主人公はおそらく女性。主人公は花金に横浜に遊びに来たのでしょうか。
あなたとは主人公の恋人、或いは恋人に近しい関係の男性なのか…。
外国人が肩にぶつかってお茶目にウインクで誘っても知らん顔をするほど女性に興味ないあなた。


[踊り疲れていても 朝まで遊ぶわ
港の見える場所で 何か飲みたいのよ]

花金で浮かれてはしゃいで疲れても朝まで遊ぶ=朝帰りがしたいという意思
そして“港の見える場所で何か飲みたいのよ”と主人公自ら男性を誘う…。
何か飲みたいは決して安い大衆居酒屋ではなく、綺麗な夜景が見れるおしゃれなバー。
今でこそ男女平等と言われていますが、当時は男性がリードしなくてはいけない、女は三歩下がって歩くべしという時代だったはず。そんな世の中で女性自ら二人っきりでおしゃれなバーに誘うなんてとても大胆な主人公。
ちなみに横浜には「港の見える丘公園」があります。


[It's So FLY- DAY FLY-DAY CHINATOWN ジャスミンに接吻(くちづけ)を
It's So FLY- DAY FLY-DAY CHINATOWN 私も異国人ね]

ジャスミンとは白くて甘い匂いのする花。中華料理でよく出されるジャスミンティーはその花の香りを付けたお茶。男性との甘いひと時を表現しているの。
そして“私も異国人ね”と。異国人=外国人ってどことなく大胆で女性自ら誘うようなイメージありますよね。
おそらく主人公は普段は三歩下がって歩くような女性なのかもしれない。花金のヨコハマ・チャイナタウンが主人公を異国人のように大胆にさせているのだ。


[お店にならぶ絹の ドレスを指差す
渋い顔のあなた わがままがいいたい]

絹のドレスはチャイナドレスでしょうか。
「そんなものどこで使うんだよ」とでも言いたげな男性ですが、可愛くおねだりをする主人公。


[愛想笑いのおばさん きっと似合うわと
どこか静かな場所で 着替えてみたいのよ]

そういえば今は規制されてなくなりましたが、中華街の路上で甘栗を売ってた販売員さん、どんなに高齢の女性でも「オネエサン」って呼んであげたり、「アナタ美人ダカラ、甘栗オマケシテアゲルネ!」とお世辞を言ってくれたな~。母親が「日本で唯一私をお姉さんと呼んでくれる人」と言ってたのを思い出しました(笑)

話は逸れましたが、“どこか静かな場所で着替えてみたいのよ”…、これはまさにアレです。静かな場所とはホテルです。まさに女性がホテルに誘ってるということです。
女性が夜のお誘いをしてるのにイヤらしくなく小悪魔のような可愛らしさを感じさせます。前の歌詞からの伏線の張り方といい、凄く知的で美しい表現だなと思います。

ちなみに中華街のすぐそばにホテル街があります。なかなか味のあるホテルが(笑)


[It's So FLY- DAY FLY-DAY CHINATOWN 絹ずれの月あかり
It's So FLY- DAY FLY-DAY CHINATOWN 私も異国人ね]

「絹ずれ」という日本語はありませんが、「衣擦れ(きぬずれ)」という言葉はあります。意味は「歩くときなどに、着た着物の裾などがすれ合うこと」
月明かりのみの真っ暗な部屋でチャイナドレスがすれ合う………あとはご想像にお任せを(笑)
直接的な言葉は用いず一言で表現するという点でここも好きな歌詞です。

そして主人公は異国人のような大胆な自分に酔う…。



ということで、私なりの解釈でした。
今回は「あなた」と表現される男性を恋人か或いは恋人に近しい関係の男性と解釈しましたが、もしこの“あなたが“禁断の恋の相手だったら…?”とか、“踊り疲れていても=クラブ(ディスコ)で踊ってる→クラブで知り合った一夜限りの相手だったら…?”と考えるともっともっと感じ方が変わると思います。


歌詞が良いと言っても、言葉のチョイスが独特だとかメロディとのハマり具合とか多くの人が共感するとかあるいは世界観が凝ってる等たくさんの要素がありますが、個人的にこの歌詞の素晴らしいところは「ある一定の解釈はできつつも妄想が捗る」というところだと思います。


この曲の主人公は自己主張をしつつどことなくしたたかで可愛らしい女性。
大人達が少女に幻想を抱き可愛がるアイドル(決してアイドルアンチではないです)とは違い、シンガーソングライター・アーティストとして自立した泰葉さんにぴったりの楽曲。

そして何より素晴らしいのはこの歌詞を当時20歳であった泰葉さんに提供をしたこと。大人になっても堂々と歌え、たくさんの恋愛経験をした大人になればなるほど味わい深くなる歌詞。色褪せないとはまさにこのことだと思います。


つらつらと書きましたが、以上が個人的解釈です。
やり残したことを成し遂げた感。誰も読まないのでしょうけど…。

ブログ開設しました


はじめまして。三流美大を卒業したただのOLです。
趣味はヴィジュアル系バンドの追っかけ。

Twitter本垢)を開設してから早10年。Twitterの居心地のよさとくだらない日常も積もり積もれば面白いというポリシーもあり、ブログという媒体に殆ど手を出してきませんでした。
ただ、どうしても語ると長くなるテーマに関してはTwitterは不向きなので(ツリーも切り取られたら嫌なので)ブログという媒体を使って残そうかなと思い開設しました。
そういえばアメブロがあったなと思いつつも、高校生の頃のイタい文章が残ってて一緒に載せるのは恥ずかしくて、かといってそれも含めて私の形成したものだし消すのもなんだか…ということでそのまま放置してます。

どうせ書きたいことだけ書いて暫くしたら放置するだけのブログになるのは目に見えてますが、どこかで誰かの目に留まって少しでもおもしろいと思ってくれたら嬉しいなと思いつつ。